プラシーボ効果に対しての誤解

プラシーボ効果とは?そう聞かれて明瞭に回答できる人は少ないと思います。「聞いたことはある。知らんけど」「お医者さんが偽薬を飲ませると効果出るやつでしょ?」世間的な認知はこれくらいだと思います。プラシーボ効果、偽薬などよくわからん分野に深く入っていくと、世間の認知と実態の乖離が大きいと感じます。よくわからん「プラシーボ効果」について

大前提「よくわかっていない」

これが半分答えみたいなものです。命を取り扱う医学、その体系にプラシーボ効果はかなりコアな部分で利用されています。(詳細は別の記事で)なのに「よくわかっていない」とはこれいかほどに、プラシーボ効果がなぜ起きるのか、どうして、どのように、どうしたら起こらないのか、これは現代でもよくわかっていません。これらに答えるようになるには、まず「生命とはなにか」「心とはなにか」みたいな哲学の問に答えなければなりません

ですが、利用はできます。医学や物理学、生物学などが統計学を用いた比較実験をする際に、ノイズや偏り、誤差をなくすためにプラセボ群を利用することはできます。(これも長くなるので別の記事で)よくわかっていないけど「利用はできる」というのが、現代の西洋医学とプラシーボ効果の関係性です

プラシーボ効果についてよくある説明

お医者さんが患者さんに偽薬を「よく効く薬です」と伝えて信じ込ませて服用してもらうと実薬と同じ効果がでる。副作用もあり、医者と患者の信頼関係がないとプラシーボ効果は起きない。

プラシーボ効果の説明をする時にこのように話す人が多くいると思います。しかし、これはほとんど間違っています。これを正解にさせるためには、特定の立場から、特定の条件で、特定の状況であれば正解と言えますが、これは本質から外れた一面しか言い表せていません。空の色は何色?と子供に聞くと「あお色!」と元気よく答えてくれそうです。これは「昼間」で「地上」から見た「人」にとっては正解ですが一面でしかありませんよね、夜になれば空の色も…大気圏より外で見れば…鳥が見たら…といったように、空の色は僕でもわからないですけどたとえ話では利用できます。よくわかっていないのになぜ間違っていると言えるのか、一つ一つ分けて行きましょ

  • お医者さんが
    • 医者の専売特許ではない。「痛い痛いの飛んでいけー」で泣き止む子供はプラシーボ効果を体験したと言えるが、母親が医者とは限らない。
  • 患者さんに
    • 疾患があっても健康であっても起こりうる。人間以外の動物でもプラシーボ効果は認められている。(光源ラット実験)
  • 偽薬を「よく効く薬です」と伝えて
    • 全く効果がないと伝えても効果がある(オープンラベル)偽薬でも実薬でもプラシーボ効果はある。(ジェネリック医薬品のノセボ効果)
  • 信じ込ませて服用してもらうと
    • 疑いや不安に思っていても効果はでる。薬が起因になるとは限らない(高山病事前説明の話)
  • 実薬と同じ効果がでる。
    • 精神に影響された方に効果が寄る。実薬以上の効果が出ることも(気管支拡張薬と気管支収縮薬の実験)
  • 偽薬でも副作用が出ることがある
    • 坂道理論、薄毛の薬、(これは力説したい部分なので詳細は別の記事でします!)
  • 医師と患者の信頼関係(ラポール)がないとプラシーボ効果は起きない
    • 信頼関係が重要と言われているは確か、しかし議論の余地がある。医者と患者という関係性も入れ替え可能、分解可能、架空の人物や話などでパフォーマンスに影響を与えることがある

まだよくわかっていないという前提を踏まえ、今後もアップデートするであろう「プラシーボ効果」の本質は「イメージしたことを具現化する働き」ではないかと考えています。そのような考察に至った経緯やそう考えさせられた書籍や論文、実験など今後紹介していきますね

今後も応援よろしくお願いします

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